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TT2020 修了生レポート 3

Talents Tokyo(TT)は、東京都などが主催する映画の人材育成プロジェクトで、2010年に始まりました。今年のTTはどのように開催されるのか。修了生による体験談レポートを掲載しています。

今井太郎

タレンツ・トーキョー2020は早くも4日目、メインイベントのオープンプレゼンの日がやってきました。

1~3日目は私も少し覗き見させて頂いたのですが、初日の最初のプログラムとして実施された是枝裕和監督のマスタークラスが印象に残っています。是枝監督がタレンツに講義をするのではなく、タレンツからの質問に是枝監督が答えるという形式で行われました。是枝監督は各タレンツからの質問の本当の意図を何度も聞き直して理解し、じっくり考えて、真剣に、丁寧に答えてられました。覗き見していた私もこの質問の意味は何だろうと一緒に考え、是枝監督はどういう答えをするだろうと考え、そして是枝監督の答えについて深く考える時間をもらえたので、マスタークラスが終わった時は、いい映画を観た後の余韻の様に放心状態になっていました。この是枝監督の質疑応答のプロセスは映画作りにおいてもかなり重要だと思いますし、実際に是枝監督の作品に反映されているのかもしれません。これはタレンツにとって非常に貴重で刺激的な体験になったのではないでしょうか。

2日目は世界から注目を浴びるフィリピン人プロデューサーBianca Balbuenaの講義がありました。彼女の講義の素晴らしい点は、タレンツと同年代の彼女が、タレンツと同じ目線で教えてくれる事です。彼女の教える内容は他のワークショップでも教わる国際共同製作の基本ですが、自身の失敗談や今抱えている課題も交えて、タレンツの側に立って一緒に考えてくれます。ベテランのプロデューサーの講義の場合、理屈は理解できても実践するのは難しい事もあるのですが、彼女は経験のないプロデューサーにも分かりやすく、今の時代に沿ったやり方を提案してくれます。そして同年代で世界で活躍する彼女の話はみんなに希望を与えてくれると思います。

そして過去数日間、タレンツ達は今日のオープンプレゼンに向けて練習を重ねてきました。今年はどんなタレンツと出会えるのか、どんなプロジェクトがあるのか楽しみです。今日のオープンプレゼンに関しては、また数日後に報告させていただきます。

IMAI Taro (Producer, 2018 Alumnus)
今井太郎(プロデューサー、2018年修了) 

高校卒業後渡米し、Los Angeles City Collegeで映画製作を専攻。帰国後、10年間一般企業にて勤めた後、大阪でharakiri filmsを立ち上げる。2016年にプロデュースした藤村明世監督の『見栄を張る』は国内外7カ国の映画祭で上映され、国内とタイで劇場公開された。その実績が評価され、Ties That Bind、Busan Asian Film School、Talents Tokyo、Rotterdam Lab、Asia Pacific Screen Lab、SEAFIC等、海外の若手プロデューサー向け国際共同製作ワークショップにも多数参加。最近は国内のみにとどまらず、海外の若手監督らともオリジナル作品の企画開発に注力している。