For Japanese Talents

TT2020 修了生レポート 4

Talents Tokyo(TT)は、東京都などが主催する映画の人材育成プロジェクトで、2010年に始まりました。今年のTTはどのように開催されるのか。修了生による体験談レポートを掲載しています。

今井太郎

少し間隔が開いてしまいましたが、タレンツ・トーキョーは11月7日に無事終了しました。

まず、11月5日に開催されたオープンプレゼンについて。今年のオープンプレゼンは初のオンライン開催という事で、タレンツがZoomでプレゼンし、その様子がYouTubeで全世界にライブ配信されました。これは真剣に共同プロデューサー、出資者、セールスエージェント、配給会社等、協力者を探しているタレンツにとって大変有意義な試みだと思います。実際に、YouTubeで見ていた海外の業界人から多くの反響があったようです。

各タレンツの企画は例年同様、ハイレベルなものばかりで、私も関わる事ができたらいいなと思う企画がいくつかありました。そしてタレンツ・トーキョー・アワード2020はチア・チーサム監督の「Oasis of Now」、スペシャル・メンションはネリシャ・ロー監督の「Pierce」と北川未来監督の「KANAKO」が受賞しました。受賞者の皆さん、おめでとうございます!しかしプレゼンの目的は賞を取る事だけではなく企画を進める事だと思うので、タレンツ全員にとって有意義なプレゼンになった事と思います。

コロナ禍の中、世界中で撮影は停滞していますが、新しい企画への需要は高まっています。そして様々な記事で見るように、今アジアが世界から注目されています。私にもFacebookで海外の友人からプレゼンについて連絡があったり、タレンツにとっても、業界の人たちにとっても盛り上がったイベントになった様です。

そして最終日には黒沢清監督のマスタークラスが開催されました。黒沢清監督は是枝裕和監督と並び日本を代表する監督ですが、二人のワークショップは対照的であった事が印象に残りました。黒沢監督の考え方はより現実的で、質疑応答の答えもより具合的だったので、タレンツにとっては分かりやすくプラクティカルだったと思います。私も多くのラボに参加してきましたが、黒沢監督の様に現役で世界的に活躍する監督と少人数でのマスタークラスは今までありませんでした。少人数での講義の方が普段聞けない様な話も聞けるので、今年のタレンツは羨ましい限りです。最後に黒沢監督が「皆さんが今まで積み上げてきた映画に対する考え方を信じていれさえすればいい」と仰っていたのが心に残りました。

そういう感じで無事終了した今年のタレンツ・トーキョーですが、今年のタレンツは日本には来れなかったものの、もしかしたら例年以上にいい経験になったのではないでしょうか。オンラインでの開催だったものの、タレンツみんなと交流できた実感があり、不思議な感覚です。

また来年が楽しみです。

IMAI Taro (Producer, 2018 Alumnus)
今井太郎(プロデューサー、2018年修了) 

高校卒業後渡米し、Los Angeles City Collegeで映画製作を専攻。帰国後、10年間一般企業にて勤めた後、大阪でharakiri filmsを立ち上げる。2016年にプロデュースした藤村明世監督の『見栄を張る』は国内外7カ国の映画祭で上映され、国内とタイで劇場公開された。その実績が評価され、Ties That Bind、Busan Asian Film School、Talents Tokyo、Rotterdam Lab、Asia Pacific Screen Lab、SEAFIC等、海外の若手プロデューサー向け国際共同製作ワークショップにも多数参加。最近は国内のみにとどまらず、海外の若手監督らともオリジナル作品の企画開発に注力している。