11月4日(木)にTalents Tokyo 2021のオープンデイが開催されました。オープンデイは6日間のワークショップのメインイベントであり、今年はS E A F I Cのエグゼクティヴ・ディレクターでもあるレイモンド・パッタナーウィラクーンさんの講義、そして15名のタレンツたちによる公開プレゼンテーションが実施されました。
タレンツたちは温めてきた企画を発表するために、ワークショップ期間中に何度もプレゼンのトレーニングやリハーサルを行います。私も昨年参加したのですが、短い時間で自分の企画を端的にそして魅力的にプレゼンすることは非常に難しく、時には自分のスキルの無さに落ち込むこともありました。しかし不思議なことにトレーニングを繰り返していくうちに、「自分がこの企画でやりたいことは何なのか」「自分が一番伝えたいことは何なのか」頭の中で靄がかかっていたものが、徐々にクリアになっていく感覚になっていきました。プレゼンは他の人たちに自分の企画を伝えるものだけでなく、自分自身に自分の企画を整理して説明し直す機会なのだと発見することができました。
今年の15名のタレンツたちの企画も非常に多様性に満ちており、聞いていてワクワクするものばかりでした。そしてそのプレゼンの方法も千差万別です。写真やムードボードを見せながら映画のトーンを伝えるタレンツもいれば、シンプルに言葉のみで物語と自分の想いを伝えるタレンツたちもいます。前日のリハーサルも拝見したのですが、緊張感がある中、お互いのプレゼンをフィードバックし合い、短期間の中で同じ目標に向かって切磋琢磨することでタレンツたちの距離がより縮まっていくのだと思いました。
話は少し変わりますが、Talents Tokyoのワークショップは全て英語で行われ、そしてこの公開プレゼンテーションも英語での発表が求められます。私は英語を第2言語として話しているので、英語でプレゼンすることは決して簡単なものではありませんでした。そして多くの他のタレンツたちも英語を第2言語として話しています。リハーサルの際にエキスパートの一人、フロリアン・ウェグホルンさんがこんなことを話す場面がありました。「私たちは正しい英語ではなく、あなたの英語を聞きたいのです。」第2言語としての英語を使いながらプレゼンすることは非常にチャレンジングですが、一番大切なことはプロジェクトに対する想いであり、その想いがあれば言語を超えて伝わるものがあるのだと今回の15名のタレンツたちのプレゼンテーションを聞いて改めて実感しました。
文:北川未来(TT2020)